真夏に旬を迎える真っ赤な野菜・トマト。「リコピン」という成分が含まれていることは知っていても、どのような効果があるのか、あまり知らない人も多いのではないでしょうか。
トマトのリコピンは毎日のように摂取したいとびっきり優秀な栄養素。美容・健康を維持したい女性にとって、不可欠であるといっても過言ではありません。
今回は、そんなリコピンの正体に迫ると共に、効率よく摂取するポイントなどもご紹介します。
トマトの赤色は、リコピンの赤色
トマトの鮮やかな赤色の正体は、「リコピン」と呼ばれる成分です。
色素栄養素「カロテノイド」のひとつで、「βカロテン」の仲間でもあります。
カロテノイドはその他にも、にんじん、パセリ、ほうれん草といった野菜に多く含まれています。しかし、トマトのカロテノイド、つまりリコピンは格別。強力な抗酸化作用を持っていて、その威力はビタミンEの100倍以上ともいわれています。
さらに、トマト自体はとっても低カロリー。
脂肪の蓄積や吸収を抑える働きもあるとされ、ダイエットに欠かせない野菜と言えるでしょう。
美容・健康を維持するリコピンの効果
栄養価の高さが注目されているリコピン。
具体的には、以下のような効果を期待できます。
- 美肌効果
- アンチエイジング
- 脂肪の蓄積・吸収の抑制
- アルコール分解のサポート
- 豊富なカリウムによるむくみ解消
特に注目したいのが、抗酸化作用の効果です。
老化やガン、動脈硬化のような生活習慣病は、体内に活性酸素が溜まって細胞がサビることが要因と考えられています。そこで、リコピンの強力な抗酸化作用は、活性酸素を消去する働きがあるとされています。
また、シミの要因となるメラニン色素の抑制、ビタミンCによる肌の健康維持など、女性に欠かせない効果も期待できます。美容・健康を長く維持するためにも、トマトのリコピンは欠かせない栄養素なのです。
トマトの選び方
様々な効果を期待できるリコピン。せっかくなら、1個のトマトからより多く摂取したいですよね。そこで、以下の2つのポイントを意識しながら、トマトを選んでみてください。
1)生トマトよりも加工トマト
トマトは生の方が栄養価の高いイメージを抱くと思います。しかし、完熟したトマトを使った加工食品のほうが、リコピンを2〜3倍も多く含んでいるといわれています。トマト缶を料理に活用したり、トマトジュースを常飲したり、日々の生活に取り入れやすい形で加工品を活かしていきましょう。
2)オーガニック栽培のトマトがおすすめ
トマトのリコピンは実の部分はもちろん、皮にも多く含まれています。そのため、皮を剥くことなく丸ごと食べるようにしましょう。そのため、無農薬のオーガニック栽培で育てられたトマトがおすすめ。日光に照らされてすくすくと育ったトマトは味が濃厚で、甘みも強いため、より美味しくいただけますよ。
リコピンの効果的な摂取方法
リコピンの摂取方法にはちょっとしたコツが必要です。
トマトに含まれるリコピンは細胞壁に守られています。そのため、トマトを食べたとしても、歯で噛むだけでは効率よく摂ることが難しいのです。そこで、「加熱処理をする」「細胞壁を壊すくらい粉砕する」の2つのポイントを意識して調理・加工をしてみましょう。
1)油と一緒に加熱処理する
リコピンは脂溶性で、油との相性が良いとされています。また、加熱処理をすることで細胞壁が壊され、吸収率も2〜3倍も高まるとも考えられています。オリーブオイルと一緒に炒め物に使ったり、トマトソースとして常備したりすると良いでしょう。また、油脂分を含むお肉やチーズとの相性も良いので、イタリアン料理に適している野菜といえます。
2)スムージーにして常飲する
リコピンを隠している細胞壁は、なかなか壊すことができません。そこで、ミキサーなどで粉砕し、スムージーにするのもおすすめです。牛乳に含まれた脂肪分との相性もよく、ほかの野菜や果物と組み合わせることで様々な栄養素を摂取できます。
ささっと数十分程度で作れるので、仕事や家事で忙しい女性の強い味方となってくれますよ。
毎日の食卓に、リコピンたっぷりのトマト
トマトの赤色の正体は、色素栄養素のひとつである「リコピン」。強い抗酸化作用があり、脂肪蓄積の抑制や美肌維持だけでなく、動脈硬化、がんの予防にまで効果があると期待されています。
旬を迎えるのは夏真っ盛りの時期ですが、可能であれば、毎日の食生活にトマトを取り入れましょう。オーガニック栽培のものを使ったトマトジュースやトマトソースなど、様々な加工品があるので色々と試してみてくださいね!