女性ファンを多く抱えるコスメブランド「LUSH(ラッシュ)」。
LUSHというと、華やかな香りとファッショナブルなビジュアルという印象が強い方も多いのではないでしょうか? しかし、なぜLUSHがそのような商品をラインナップに揃えているのかというところまで知っている方は少ないはず。
そこで今回は、普段は知ることができないLUSHの裏側について、株式会社ラッシュジャパンにてバイヤーを務める黒澤さんにお話を伺いました。

LUSHは料理感覚でコスメを作っている?

ーーLUSHは原料にこだわっている印象がありますが、実際いかがなのでしょうか?

黒澤さん:LUSHが掲げている企業理念として、「フレッシュハンドメイドコスメ」ということが挙げられます。商品の原材料についてはとにかく新鮮なもの、かつオーガニックなものにこだわって、しかもそれらすべてをハンドメイドで仕上げています。
ただし、LUSHは「フレッシュ」と「オーガニック」をテーマにさまざまな商品を世に送り出していますが、これらの言葉はマーケティング用語として使ってるわけでは無いんです。今日はこの事についてご紹介できればと思います。

ーーありがとうございます。そういえば、LUSHの工場は「キッチン」と呼ばれているという話を聞いたことがありますが本当なのでしょうか。

黒澤さん:そうなんです。私たちは商品を作っている施設について「工場」とは呼ばずに「キッチン」と呼ぶようにしています。むしろ「工場」と呼ぶことに違和感がありますね。
キッチンの中ですべての商品を作っていますが、たとえばその過程でレモンを切って絞ったりキウイを剥いてブレンダーでかき混ぜたりしていると、あんまり「働いている」という感じにならないんですよね。

ーー家庭で料理をしているのと近いですよね。

黒澤さん:そうなんです。新鮮な果物や野菜など、本来は食品として扱われるものを原材料として使用しているので、料理をしている感覚に近いんですよ。もちろん製法は商品によって大きく違うのですが、共通して言えるのは、「人の手じゃないと作れない」ところではないかと思います。

LUSHキッチン

ーーLUSHの商品はすべてハンドメイドなんですよね。

黒澤さん:新鮮な果物や野菜などを使用しているので、季節によって水分値や糖度が違うんです。そうすると、同じレシピで作ったとしても同じ品質を保てないことがあります。これって、機械ではなかなか調整できないんです。
そこでLUSHでは、社内でしっかりと研修を受けた「シェフ」と呼ばれるスタッフの手によって商品が作られています。シェフが一つずつ果物の状態を確認して、混ぜる時間や乾燥させる時間を調整しているんです。
人気商品の入浴料「バスボム」も、材料を混ぜ合わせて一つ一つシェフが型にはめて圧力をかけて作っているのですが、どのくらいの圧力をかけるべきか、というところもシェフの腕の見せ所です。
私たちは、これをこっそり「シェフの技」と呼んでいるのですが、原材料の状態に合わせて商品を作ることができるのは経験を積んだシェフだけです。やっていることは「職人」と近いと思います。

ーーパッケージに貼られた似顔絵シールが気になっていたのですが、もしかしてこれが「シェフ」でしょうか?

黒澤さん:そのとおりです。LUSHでは、腕が確かなシェフによって作られた商品に似顔絵のシールを貼っています。本当に本人に似ているので、キッチンに来てもらうとどの似顔絵が誰なのかすぐわかりますよ。

LUSH似顔絵シール

ーー最近スーパーの野菜コーナーでも同じように生産者の顔写真が見えるようになってきましたが、誰が作っているのかがわかると安心感がありますよね。

黒澤さん:シェフたちも自分たちの顔が商品に載るということで商品に対して責任感と誇りを持てるので、結局は消費者にとってもシェフにとってもお互いにメリットがあるんですよね。

300種を超える豊富なラインナップ

ーー常時何種類くらいの商品があるのでしょうか?

黒澤さん:実は私たちでも把握できないほど、とても多いんですよ。一応「300種類以上」とは言っていますが、限定のものを合わせると数千種類になります。

ーー中でも売れ筋商品は?

黒澤さん:人気があるのは「パワーマスク」ですね。あずきのスクラブが入っていて、ミントの香りがするのでさっぱりとした清涼感と心地よさを感じることができます。スクラブが古い角質を取り除き、ミネラルを豊富に含むカオリンが余分な皮脂や汚れを吸着してくれるので、毛穴の汚れが気になる方にもおすすめですよ。最近ではSNSで「毛穴の悩み」に関する投稿でこちらの商品をおすすめしてくださる方も確認できるようになりました。

LUSHスクラブ

ーーSNSを意識した商品開発もしているのでしょうか?

黒澤さん:ものによってはSNSを意識したものもあります。ちなみにSNSによく投稿される商品は入浴料の「バスボム」シリーズで、お風呂に溶けていく様子をSNSにアップする人が多いです。LUSHは広告を一切出していなくて、だからこそ口コミの力を信じているのですが、SNSの利用が一般化したことでLUSHの商品も多くのお客様に届けられるようになったことは事実です。
あとバスボムに関しては、実は原宿にバスボムのみのコンセプトショップをオープンしました。そこでは常時89種類のバスボムが並んでいるのですが、このようなコンセプトの店舗は世界でもここだけです。

ーーこれからの季節、女性におすすめの商品はありますか?

黒澤さん:おすすめの商品というより、私が使っていきたい商品の話になってしまうのですが、個人的にはフレッシュフェイスマスクは推したいです。具体的に挙げると「華麗なる饗宴」という商品はおすすめです。アーモンドの殻がスクラブとして使われているのですが、これによって冬に溜まった古い角質を落とすことができます。

ーーLUSHで使用している原材料について、特徴があれば教えていただきたいのですが。

黒澤さん:原材料として果物を相手にすることが多いのですが、果物って四季の影響を受けやすいので「どこから仕入れるか」ということはとても重要なポイントになってきます。そのためLUSHでは、安定して材料を仕入れられるように季節に応じていくつかの農家さんから仕入れるようにしています。今の季節は自然農法で育てられた果物や野菜を「たむそん農園」さんから仕入れているのですが、LUSHの商品が作られているキッチンから車で10分くらいの場所にあるので新鮮な状態で届くんです。それだけではなくて、場所が近いので輸送時の排気ガスの排出も抑えることができるメリットがあります。

LUSHが考える「オーガニック」とは

LUSHが考えるオーガニック

ーーオーガニックについてどのように捉えていますか?

黒澤さん:オーガニックってみんなストイックに考えがちなのですが、実は私たちはそういう風に考えていないんです。私たちとしては、オーガニック認証を取得することが重要なのではなくて「どういう風に育てられたか」が重要だと考えていますし、お客様が知りたがっているのもその部分じゃないかなと思います。そのため、私たちは原料調達する時に実際にその農園に行って栽培方法を直接見て、どのように育てているのかをしっかりとヒアリングした上で仕入先を決めています。

ーーわざわざ足を運ぶのはとてもたいへんそうですね。

黒澤さん:実は、LUSHの信念に合う良い原料を見つけるのは砂の中から金を見つけるくらい難しくて果てしない作業なんですが、そのくらいこだわっています。でも、そこまでやらなければならないとも思っています。
なぜかというと、「オーガニック」というのは「その野菜や果物を育ててくれた方が選択した”農法”を評価するもの」だと考えているためです。オーガニックという農法を選んだことによって環境が良くなりますので、そこに正当な評価をするべきだと思いますし、逆にいうとこちら側もしっかりと原料を見極める必要があります。

ーーLUSHは環境保全をとても意識されていることが分かってきました。

黒澤さん:LUSHはほかにもこだわりを持ってさまざまな活動を展開しています。たとえば復興支援やコミュニティ支援の一環で、オーガニック農家の支援もしているんです。「つながるオモイ」という石鹸があるのですが、こちらはもともと福島県の南相馬市で震災をきっかけに菜種を栽培し、そこから絞った菜種油を原材料として使用しています。また、福島県でオーガニックコットンを栽培している方々も商品を通して支援させて頂いています。
(参考:ふくしまオーガニックコットンプロジェクト

ーー農家支援まで行なっていることは知りませんでした。

黒澤さん:オーガニックというと、一般的には「オーガニック認証を取得しているかどうか」に注目がいきがちなのですが、実際に農家さんと直接関わっていくとオーガニック認証を取得していなかったとしても、いろんなすばらしい取り組みをしている農家さんがたくさんいることが分かります。
そのため、できる限り私たちの考えに近い原料を年間を通して安定的に集めるために、場合によっては無農薬ではなく減農薬のものであっても仕入れることがあります。季節や天候によってはどうしてもオーガニックでの栽培が難しいこともあるんですが、先ほどもお伝えしたように私たちは認証が全てだとは考えていなくて、いかに環境や消費者のことを想って育てられたかというストーリーの部分が大切だと考えています。

ーー普段LUSHの商品を買ってくれてる人にあえてメッセージを届けるとしたら?

黒澤さん:LUSHの商品はカラフルだったり、濃醇な香りだったり、という五感に訴えてくる印象が強いので今まで通り楽しみながら商品を選んで欲しいと思っているのですが、環境のことを考えた原料から作られたLUSHの商品を手に取ることで自然環境再生や社会課題の解決に繋がっていることを知ると、より商品を楽しんでお使いいただけるのではないかと思います。
LUSHはこれからも、みなさまがすこやかなライフスタイルを送れるようさまざまな取り組みをしていきます。

LUSHバイヤー黒澤さん
(ラッシュジャパン バイヤー 黒澤さん)

株式会社ラッシュジャパンについて

フレッシュでオーガニックなフルーツや野菜、高品質のエッセンシャルオイル、そして安全性の確認された合成物質から効果的な商品を作ることを目指すイギリス発のハンドメイドコスメブランド。

ラッシュジャパン
0120-125-204
公式WEBサイト:http://www.lush.co.jp