ふだん私たちがよく目にする「賞味期限」や「消費期限」。スーパーなどでは期限が比較的近くなった商品を値下げして売るコーナーが設置されていたりします。その日付をよく見てみると、まだまだ先に思えることも多いですよね。
この仕組みには「三分の一ルール」というものが関わっています。

今回の記事では、以下の3点についてご紹介します。

  • 「三分の一ルール」とは何か
  • 「三分の一ルール」が引き起こす「食品ロス」という問題
  • 食品ロス問題に対する取り組み

三分の一ルールとは

小売店

「三分の一ルール」は、食品流通業界の商習慣です。

製造日から消費期限までの期間を三等分して、最初の3分の1を卸から小売店に納品するまでの「納品期限」、次の3分の1まで、つまり全体で見て3分の1の時点を店頭で消費者に売る「販売期限」としています。そして、最後に残った3分の1が消費者が食べる期間として設定されているのです。

三分の一ルールのメリット、デメリット

メリットとデメリット

三分の一ルールはどのようなメリットがあって生まれたのでしょうか?また、社会的な問題となっているデメリットについてもご紹介します。

メリット

メーカーは三分の一ルールという商慣習による納品期限の設定によって、鮮度の良いものを消費者に供給することができます。

私たち自身、そして食品流通業界において最も私たちに近い存在であるスーパーやコンビニなどの小売店にとっては、このことがメリットとなるでしょう。

デメリット

日本では年間2,842万トン(平成27年度)の食品廃棄物などが排出されています。そのうちの646万トン(平成27年度)が、まだ食べられる食品であるにも関わらず、捨てられています。

このような、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品を「食品ロス」といいます。

飢餓で苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量は年間約320万トン(平成26年度)。なんと、日本だけで発生した食品ロスの量は、世界中の食料援助量の約2倍にもなってしまうのです。

「食品ロス」は社会的な課題となっており、消費者庁では『[食品ロス削減]食べ物のムダをなくそうプロジェクト』が進められています。

食品ロスの一因となってしまっている「三分の一ルール」。
しかし、「食品ロス」の原因は決して三分の一ルールばかりではなく、製造、小売、そして「長持ちするから」と考えて賞味期限があとの食品から手に取ってしまう私たち消費者にもあると考えられます。

(参考)「消費者庁」食品ロスについて知る・学ぶ
(参考)「消費者庁」[食品ロス削減]食べ物のムダをなくそうプロジェクト

三分の一ルールとオーガニック

農場

特定非営利活動法人日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会は、オーガニックについて「農薬や化学肥料に頼らず、太陽・水・土地・そこに生物など自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法」と説明しています。

「自然のままの健全な食物連鎖」を目指しているオーガニックにとって、「三分の一ルール」によりまだ食べられる食品が廃棄されていることは望ましくありません。

(参考)特定非営利活動法人日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会

オーガニック食品企業による「三分の一ルール」対策の取り組み

「三分の一ルール」などによって発生する膨大な食品ロスを減らそうという取り組みがさまざまな企業、団体で行われています。

ここでは、その取り組みの一部としてオーガニック食品を販売している株式会社ブラウンシュガーファーストの活動をご紹介します。

#食べ物を棄てない日本計画

株式会社ブラウンシュガーファーストの新規事業としてスタートされたこの企画。「Food ReValuation 食べ物に価値を再付加する」と掲げ、「美味しい」「楽しい」「ワクワク」をベースにした活動をしています。

現在の活動は大きく分けて3つ。

1. 時代は健康運営!おやつアップデート

まずは、「HEALTHY OFFICE SNACKING」です。「HEALTHY OFFICE SNACKING」はオフィスでのおやつになる「置き菓子」サービス。砂糖や添加物が入っていない、オーガニック認証をとったヘルシーなお菓子・飲料が揃えられています。

お菓子・飲料は三分の一ルールによって通常の価格では販売できなくなってしまったものや、パッケージの印字不良などで流通させられないものを通常の2~4割の価格で提供しています。

企業として「食品ロス」の取り組むことができ、CSR活動の一環になる、そして何より健康的な美味しさで導入する企業が増えています。

(参考)HEALTHY OFFICE SNACKING

2. シェフの創意工夫 飲食店でのメニューコラボ

飲食店とコラボレーションをして、日替わりメニューの食材としてオーガニック食材を導入している活動です。飲食店は、通常だとコストの合わないヘルシーな食材を使うことができます。

個人経営の飲食店から社食、給食、病院食までお問い合わせが増加しているそうですよ。

3. 食品を材料に変換!加工して新商品化

取引先の小売店と提携して賞味期限の迫った食品・食材を一旦引き取り、マフィンやクッキー、ピザなどに加工して再納品する活動をしています。

新たに生まれ変わる食べ物、まさに食べ物に価値が再付加されています。

(参考)#食べ物を棄てない日本計画
(参考)株式会社ブラウンシュガーファースト

「三分の一ルール」「食品ロス」を知ること

今回の記事では、日本の食品流通業界独特のルールである「三分の一ルール」、そしていま日本で問題となっている「食品ロス」についてまとめました。

学んで、知る。そのつぎは、身近なところからちょっと行動してみませんか。

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(参考)株式会社ブラウンシュガーファースト代表 荻野みどりさんのインタビュー記事はこちら

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